【Python 初心者】学習方法 ステップバイステップ

Pythonは初心者にとって学習に最適なプログラミング言語のひとつです。
本ブログでは、初心者を対象に挫折しない学習方法をステップバイステップで紹介していきます。

Pythonを取り巻く環境を良く知ろう!

Python言語とは?

Pythonは他の言語に比べて短いコードで多くのことができ、Web開発・データ分析・人工知能などさまざまな分野で利用されています。簡単な例を以下に示します

同じ「Hello, World!」を出力するプログラムをPythonと他の言語(Java)と比較してみましょう。

Pythonコード

print("Hello, World!")
  • 特徴: 必要なコードが少なく、シンプル
  • 初心者の利点: すぐに結果が得られる

Javaコード

public class HelloWorld {
public static void main(String[] args) {
System.out.println("Hello, World!");
}
}
  • 特徴: クラスとメソッドが必要
  • 初心者のハードル: 構造が複雑に見える

Javaとの比較だけでしたが、上記の例で十分に理解頂けたと思います。

Pythonで実現できる事

Pythonはその汎用性と豊富なライブラリによりさまざまなシステムの開発に利用されています。以下の表にPythonで作成されているシステムを、件数が多い順に5位迄まとめました。いずれもなじみのあるシステムです。

 システム            概    要
1WebアプリYouTube等の大規模なWebサービスの構築に利用されています。
2人工知能AIや機械学習の分野で幅広く使用されています。
3データ分析企業のマーケティングやデータ解析に多用されています。
4自動化事務処理等、定例業務の自動化に利用されています。
5Webスクレイピングウェブサイトからのデータ収集市場調査などで活用されています。

出 典:公開されているWeb上の資料

多くの人がPythonを習得しようとしている理由

数あるプログラミング言語から何故Pythonを選択したのか、その理由をまとめてみました。ここでも幅広い分野で利用されているPythonならではの特徴が良く表れています。

Pythonで求人数が多いシステムは?

IT業界で求人数が多いシステムを、上位5位まで表にまとめました。サーバーサイドでの求人が多いのは、Pythonがシンプルで可読性に優れていて分かり易いためです。

 システム            概    要
サーバーサイドサーバーサイド開発
人工知能画像/自然言語処理などのシステム開発
WebアプリWebアプリケーションの開発
データ分析データ分析/可視化システムの開発
自動化ツール自動化ツールやスクリプトの作成

出 典:公開されているWeb上の資料

以上でPythonを取り巻く大まかな状況は分かっていただけたと思います。上記のようにこれからもPythonに対する需要は高くPythonを習得する事は今後のあなたの未来に役立つ事は間違いありません。

Pythonを習得する為の学習方法

これからPythonの学習方法についてステップバイステップで紹介していきます。独学で挫折してしまう人もいますが、ここでは可能な限り挫折する事なく目標を達成できる方法を紹介していきます。

途中で挫折してしまう理由

習得に挫折した理由を以下のグラフにまとめました。
上位の2項目については現在Web上で様々なツールがあるので積極的に活用しましょう。

  1. AIの活用
    ChatGPTに代表される対話型AIを使用すれば初心者レベルであれば殆ど解決してくれます。

  2. Webで質問や情報交換を行うサイトを活用する
    Pythonのコミュニティサイトや、teratail(テラテイル)やQiita(キータ)
    ※質問をする場合はルールを必ず守りましょう! 

モチベーションが続かない主な原因は、「目標」と「ゴール」が明確でないか、無理な計画を立てているためではないでしょうか?

調査概要:プログラミング学習の挫折に関するアンケート
調査対象:10代〜80代の男女298名
調査期間:2019年8月13日~8月20日
調査方法:インターネット調査
掲載元:PR TIMES

学習する目的とゴールを明確にする

何故 Pythonを習得したいのかもう一度考えてみましょう。
人それぞれ違った目的はあるでしょうが、「目的」と「ゴール」が明確になっていない初心者の方は殆ど習得できません。

曖昧な目標ではなく「具体的」な目標とゴールを明確にしましょう。

学習を開始する前に

カリキュラムを作成し、短時間でも毎日学習する

カリキュラムは各学習項目毎に概要程度のもので良いので必ず作成しましょう。細かく作成しすぎると遅れた場合にプレッシャーになりかねません。但し、最終ゴールの期日は決めて柔軟に進められるようにしましょう。


学習方法は色々ありますが習得する秘訣は、「毎日学習する習慣を身に付ける」事です。
個人により色々と事情があって難しい部分もあるとは思いますが、時間がある場合はこの学習法、無い場合はこの学習法と決めておくのが「継続する為のコツ」です。

学習を開始する ー Step by Step

Step-1 WebやYoutube動画で視覚的に基礎を学習する

初心者の方はまず ProgateやYouTube 等で基礎を学ぶ事をおすすめします。視覚的でわかりやすく、短時間でPythonの全体像をつかめます。

  1. YouTube チャンネル

    • freeCodeCamp
      • Pythonの基礎から応用まで網羅した約4~6時間の講座が無料で視聴可能
      • 動画は段階的で、難易度が徐々に上がるため、挫折しにくい
      • 初めてプログラミングを学ぶ人でも理解しやすいペースで進行
      • 自動翻訳機能で日本語字幕を表示可能なので、英語に不慣れな人でも学習しやすい

    • Corey Schafer
      • より深い解説や実践的なトピックに強く、初歩を超えてスキルを伸ばしたい場合に最適
      • 自動化やデータ処理に関する具体例が豊富
  1. オンライン学習プラットフォーム

    • Progate(有料/5日間無料)
      • スライド形式のわかりやすい説明と実践問題がセットになっている
      • 学習はブラウザ上で完結するため、環境構築の必要がない
      • 無料で基礎部分を体験可能
      • 学びながら実際に手を動かせるので、理解が深まりやすい

    • ドットインストール(フリー/有料版)
      • 短時間で要点を押さえた動画教材(1本3分程度)
      • 環境構築から応用まで幅広いPython教材が揃っている
      • 日本語の説明が丁寧で初心者にも分かりやすい
      • 無料で基礎部分を学べ、有料プランでさらに深い内容にアクセス可能

    • Udemy公式サイト(有料)
      • 高評価のPythonコースが多数
      • 一度購入すると無期限でアクセスできるため、好きなペースで学べる
      • 動画とハンズオン形式の練習がセットになっている

Step-2 簡単なPythonコードを実際に使ってみる

この時点から書籍を使用して実際に学習をすすめましょう。書籍は自分にあった物を使用して下さい。ちなみに私は以下をお勧めします。

  1. Python1年生 第2版 体験してわかる!会話でまなべる!プログラミングのしくみ(翔泳社)
  2. スッキリわかるPython入門 第2版 (スッキリわかる入門シリーズ)(インプレス)
  3. Python ゼロからはじめるプログラミング(翔泳社)

※書籍は一つ一つのトピックをじっくり学べるため、内容の深掘りが可能であり理論や背景に強く、後々の応用力を高めやすい点があります。

Pythonを実行する方法は色々あり、書籍にはその方法が細かく記述されているはずです。書籍に記述された方法に従って学習を進めれば良い訳ですが、初心者の方は以下の順番で進めて下さい。抵抗なくスムーズに進められます。

  1. Web上でPythonを実行してみる
  2. Pythonをインストールして実行する
  3. 一般的なIDE(統合開発環境)を使用する

以下、上記3点の方法を説明していきます。

Step-2-1 Web上でPythonを実行する

初心者にはPythonをインストールする事なくコードを記述し実行する学習方法をお勧めします。初心者にとってはインストール自体難しいと感じておられる方もいるでしょう。

  1. Google Colab

    • インストール不要で、Googleアカウントさえあればすぐに利用可能
    • Pythonの基礎学習に最適
    • Googleが提供する無料のJupyter Notebook環境

  2. Replit(無料/有料版)

  3. PyQ(有料/7日間無料)

    • 日本語で提供されているPython学習専用プラットフォーム
    • チュートリアル形式で実際に手を動かしながら学べる
    • Webアプリやデータ分析など、実践的なテーマに基づいた教材が豊富
    • 初心者から中級者まで幅広いレベルに対応

上記の中では、Google Colab がお勧めですね。

Step-2-2 Pythonをインストールして実行する

Pythonは用途によって何種類かありますが、今回インストールするのは標準のPython(Cpython)です。

インストール方法は下記のブログを参考にして下さい。
【参考】:Pythonのインストール

Pythonをインストールするとスタートメニューは以下のようになります。

  • IDLE(統合開発環境)
    Pythonに同梱されている機能です。

    • 特徴
      • 初期設定が不要で、Pythonをインストールすればすぐに使える
      • シンプルなGUIで初心者にとってわかりやすい
      • 大規模なプロジェクトには向いていない
      • 拡張機能が少なく、高度な機能は提供されていない

IDLE(統合開発環境)起動直後の画面

  • Pythonインタプリタ
    Pythonコードを対話モード(インタラクティブモード)で実行できる機能です。
    初心者の方にはPythonインタプリタをお勧めします。学習が進むにつれ高度な統合開発環境を使用するようになるので、現段階では本機能で十分だと判断します。

    • 特徴
      • 対話型であり、すぐにコードを実行し結果を確認できます
      • 入力したコードを逐次実行するため、試行錯誤やデバッグに適しています
      • インタプリタ自体は非常に軽量で、特別な設定なしに利用できます

Pythonインタプリタ起動直後の画面

上記以外にもPythonコードを入力して実行できる下記の統合開発環境(IDE)があります。それぞれPythonがインストールされていれば、拡張機能としてインストールが可能です。

  1. Jupyter Notebook の特徴
    • 実行結果(テキスト、グラフ、画像など)が即座にセル下部に表示され、視覚的フィードバックが得られる
    • プレゼン資料やレポート作成に便利
    • 大規模プロジェクトや複雑なコード開発には不向き

Jupyter Notebook の起動画面

  1. Spyder の特徴
    • 統計や機械学習に適したワークフローが可能
    • エディタとIPythonコンソールを統合し、スクリプトの実行がスムーズ
    • スクリプトと即時実行が同じウィンドウ内で行える

Spyder の起動画面

Step-3 一般的な統合開発環境を使用する

一般的な統合開発環境そ使用すれば、他の言語や大規模なシステムも作成可能です。

  1. Visual Studio Code
    マイクロソフトが提供する無料の軽量なコードエディタで、今やデファクトスタンダードとなっている統合開発環境です。

    • 特徴
      • シンプルなデザインで、初心者でも直感的に操作できます
      • JavaScriptなど、さまざまなプログラミング言語をサポートしています
      • デバッグ、Git管理、コードフォーマットなどが簡単に使えます

Visual Studio Code の起動画面

  1. PyCharm
    JetBrains社が提供するPython専用の統合開発環境(IDE)です。Pythonの開発を効率化するための多機能なツールを備えており、プロフェッショナル向けから初心者まで幅広く利用されています。

    • 特徴
      • 高度なコード補完とシンタックスハイライトにより、コードを書く効率が向上します
      • 関数やメソッドの使用例や引数情報が即座に表示されるため、初心者にもわかりやすい
      • ウェブ開発やデータサイエンス向けの設定が簡単に行えます

初心者の方には軽量で起動が速いVS Codeをおすすめします。Pythonだけでなく他の技術に興味を持った場合でも使用可能です。

インストール方法は下記のブログを参考にして下さい。
参考ブログ:Visual Studio Code インストール 日本語化

Step-4 基本的な文法を実際にコーディングし実行してみる

最初は基本的な構文から始めます。以下のようなトピックを1つずつ学びましょう。

  • 変数とデータ型
    • Pythonでは変数を宣言する際に型を指定する必要はありません。基本的なデータ型として以下を学びます。
      • 整数 (int): 数値の計算
      • 浮動小数点 (float): 小数の扱い
      • 文字列 (str): テキストを扱う
      • ブール値 (bool): True または False
  • 演算子
    • 算術演算や比較演算、論理演算などがサポートされています。
    • 算術演算子: +, -, *, /, //, %, **
    • 比較演算子: ==, !=, <, >, <=, >=
    • 論理演算子: and, or, not
  • ループ処理
    • 繰り返し処理を行うために、forループやwhileループを学びます。
  • リスト(配列)と辞書(連想配列)
    • データの集まりを格納する方法を学びます。
      • リスト: 順序付きのデータを格納
      • 辞書: キーと値のペアを格納

参考リソース:Python-izm

Step-5 簡単なプロジェクトを作成する

基礎を学んだ後は、小さなプロジェクトに挑戦してみましょう。この段階からは、統合開発環境(Visial Studio Code)を使用して下さい。

  • プロジェクト例
    1. 簡単な計算機プログラム
    2. TODOリストの作成
    3. 猫の写真をランダムに表示するアプリ
# TODOリストの例
todos = []
while True:
    task = input("Task: ")
    if task == "exit":
        break
    todos.append(task)
    print("Your TODOs:", todos)

Step-6 自分が目的としていたテーマに挑戦する

ある程度簡単なプロジェクトの作成をして自信がついたら、自分が「目標」「ゴール」としていたテーマに近いプログラムの作成に挑戦しましょう。

ここで重要なのは、練習用としてどのようなシステムに挑戦するのかその仕様を明確にさせておく事です。例えば、Web開発でいえば「顧客管理システム」とか、機械学習でいえば「果物の写真を判定して名前を当てる」等、実際に使えそうなテーマのシステムを選びましょう。

  • Web開発: FlaskやDjangoを使った簡単なウェブアプリ作成。
  • データ分析: PandasやMatplotlibを使ったデータ処理。
  • 機械学習: Scikit-learnやTensorFlowを使ったモデル構築。

Step-7 練習とコミュニティ参加

学び続けるために、以下の方法でモチベーションを維持しましょう。

  • 練習問題サイトで問題を解く
    練習問題サイトとしては、
    • PyQ(パイキュー)
      実務的な課題や仕様からの機能開発など、1,000問以上の問題を通じて学習できるオンラインサービスです
    • pizaラーニング
      プログラムを書けるようになるための問題集を多数提供しています。様々な目的に応じた問題が用意されており、実践的なスキルアップに役立ちます。

まとめ

Pythonを学ぶ道のりは長いですが、本プログを参考にして、ステップバイステップで進めれば確実にスキルを身につけることができます。このブログが皆さんのPython学習の良いスタートとなることを願っています。次は、実際にコードを書いてみましょう!

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